警察署の片隅で、ジョセフは新聞を広げ
満足そうに微笑んでいた。
警察署の片隅で、ジョセフは新聞を広げ
満足そうに微笑んでいた。
おれ、良い顔してるよな
何社もの新聞が署内の机に置かれ、
ジョセフの記事が載っている部分だけが
目立っている。
また見てる… 先輩、そんなに
自分の記事が好きなんですか?
ジョセフは新聞を切り抜きながら
鼻を鳴らして答えた。
ふん、俺の推理力と行動力を称える声を確認しているだけさ
でも、先輩。どうしてエイミーの居場所が分かったんですか?
ああ、あれはな・・・
その日、
ワトリー達がジョージがいる店を出たころ
ジョセフは管理局を訪れ
受付のノアに声をかけた
よう、ノア
今日は管理長に用があるんだ
管理長はエイミーの父親である
また警察ですか?
管理長は忙しいんですよ
自分の娘に容疑が掛かっているのに、仕事とはずいぶん落ち着いてるねぇ
管理長だって心配してるに
決まってるじゃないですか
何ですか、エイミーの行方が分かったんですか?
いやぁ、まだ分からないんだよ
それなら、こんなところに来てないで探してください!
エイミーがいくらタフだって
言っても、まだ高校生だ
そんな子が幼い子供を連れて
いつまでも逃げられると思うか?
だから早く探して欲しいと言っている!
なぁ聞いてくれ、ワトリーはな
エイミーの容疑を晴らすために
必死になって犯猫を追い詰めてる
あのヴィクターに交渉し
不良グループの中だって飛び込んでいった。自分がどうなろうと
危険をかえりみずに捜査しているんだぜ
ワトリーくんが・・
彼は無事なのか?
・・今は病院にいる
なんだって!怪我をしたのか
ああ、不良グループにボコボコにされてな・・・
幸いオレが送った
ダークエンジェルが助けてくれたがワトリーはもうだめかもしれない・・
なんということだ
だがな、ワトリーは
見つけたんだ、瀕死の状態で
オレに託した
それは 犯猫を見つけたということなのか?
そうさ
エイミーはもう逃げなくていいんだ、ワトリーに感謝するんだな
本当に…? ワトリーくんが
そこまでしてくれたのか・・・
ワトリーくんは無事なのか?
無事なんだろう!?
ああ・・・・今はな
うぅ・・・ワトリーくん・・
エイミーと警察署に来るんだ、
エイミーを保護するとワトリーと
約束した。いいな
うぅ・・・・
ジョセフが警察署に戻ってしばらくすると
署の入り口に現れたのは
シオンの子供を連れたエイミーと管理長だった。
管理長の表情は少し緊張していたが
エイミーの横に寄り添い
しっかりと歩いていた。
ジョセフはその光景を見て
新聞をテーブルに置きながら呟いた
フっ
やっぱりな
なるほど~
って嘘ついたんですか!
ふっ、結果的には
嘘はついていない
もし、まだ犯猫が見つかって
なかったら、どうなってたんですか?
その時はエイミーが
捕まるだろうな
捕まるって、先輩ひどいじゃないですか!
あのな、エイミーだって子供つれていつまでも逃げられないだろう。
警察で保護したほうが安全だ
じゃあ、先輩はエイミーが犯猫
じゃないって信じてたんですね
もちろんさ
おれにとってはどちらでも
構わなかったんだけどね
ジョセフは、手にしたコーラを飲みながら
思い出したように話しはじめた
ああ、そういえば
エイミーが言ってたな
シオンの子供、
ダニエルが『大切なものだ』って言いながらミニカーを見せてくれたってさ
隣で書類を整理していたポテトが顔を上げる。
ああ、そのミニカー、
シオンさんが自分の子供に
贈ったものらしいですね
いや、それがどうも違う。
ダニエルは、ミニカーはサリーにもらったって言ったらしい
サリーに?じゃあ、サリーは子供の存在を知ってたってことですか?
知ってたんだろうな。シオンと
サリーは友達だったし、
それくらい知っていてもおかしくない
ただ、アイドルに隠し子が
いるなんて話、言えるわけがないだろ
でも、もしその事実をもっと早く知っていたら、ワトリーもあんな目に遭わずに済んだかもしれませんね
ぼくも怖かったしさ
まあな。でも今回はワトリーも
大変だったよな。やれやれ。
そう言うと、デスクの上にあった
ドーナツを手に取り、一口かじった。
もう猫殺事件はコリゴリですよ
まあな。一年分働いた気分だぜ
先輩、気分転換に旅行でも
行きましょうよ
いいねぇ
二匹は事件の調査報告より
旅行計画をたてはじめた
つづく