でも、トリックはわかったけど、犯猫が映っていないと誰なのかわからないよね

ワトリー

犯猫はエイミーがシオンの携帯を持って逃げることを予想していなかったはずなのだ。

ワトリー

エイミーが慌てて出て行くのを見て、ジョージに電話して子供を誘拐するよう指示したのだ

ワトリー

そして
エイミーを犯猫だと仕立て上げることができた猫なのだ

犯猫がその様子を影から見ていたということ?

ワトリー

そうなのだ、犯猫はその様子をしっかり見ていたのだ

ワトリー

ポテトこれをみて

映像には、エイミーが警備室の前を走り抜け
裏口のドアを開けて外へ出ていく様子が
映し出されている。

ポテト

デイビスさんはエイミーが
出て行く姿を見たって言ってたよ

ワトリー

エイミーが裏口から直ぐに出て行くのはおかしいのだ

ポテト

ワトリー

…ここから裏口を出るには、
カードキーが必要なのだ
もしくは、デイビスに頼まないと開かないのだ

ポテト

と言いますと?

ワトリー

つまり、エイミーがあの裏口から出て行ったのは、デイビスが許可したということになるのだ

それってデイビスさんが犯猫ってこと!?

シーッ!声が大きいのだ

ちょっと待って、じゃあルーカスは共犯者ってこと?

ワトリー

違うのだ。デイビスとルーカスは同一猫なのだ。

同じ猫!?

なぜ気が付かなかったんだ……

ワトリー

デイビスは警備員として巡回するふりをして姿を消し
その間に着替えてルーカスに変装していたのだ。

そういえば、最初に警備室に行ったとき、デイビスさんはいなかったよね

ワトリー

デイビスはルーカスとして犯行の準備を進め、警備員としては捜査の進展を探っていたのだ。

ポテト

……なるほど、確かにそれなら
同一猫でも可能だね

でも、どうするの?証拠がないと逮捕できないよ

ワトリー

わかってるのだ。ここで止めなければ、手遅れになるのだ

どうしよう……デイビス
もうすぐ戻ってきちゃうよ

ワトリー

大丈夫なのだ。ジムとカオリが
何とかして時間を稼いでくれている。

ポテト

先輩に報告して
応援を呼ぶのはどう?

ワトリー

その前に証拠を見つけるのだ

ワトリー

デイビスはすぐにでも
シオンの子供に会いに行く
準備をしているはずなのだ

ワトリーがポテトの耳元にそっと何かを囁いた。

ワトリー

コソコソ

わかった。

震える手で携帯電話を取り出すと
ジャックの番号を押した。

・・・




ブー ブー ブー

静まり返った警備室に、ブー、ブー、と
低いバイブ音が響き渡る。

その音に二匹の耳がピンと立った。

どこから……?

ワトリー

ロッカーなのだ


二匹はおそるおそるロッカーに近づいた。

振動音はどんどん大きくなる。



ポテトがゴクリと唾を
飲み込む音まで聞こえそうな静寂の中
ワトリーがロッカーの取っ手に手をかけた。

ワトリー

開けるのだ

うん

ポテトは目をつむり、身を縮めた。


ワトリーが勢いよく扉を開けると――

ブー ブー ブー

やっぱりジャックはデイビスなんだ!

ワトリー

まだ奥に何かあるのだ

ワトリー

開けてみるのだ

ドキドキ

紙袋に入っていたのは血の付いた
アイスピックとレインコートだった。

こ、これは凶器とレインコートだ!!

よし!先輩に報告しよう!!

「君たち、何をやってるんだい?」

ワトリー

つづく