豪邸の扉を潜り抜け、豪華な家具に囲まれた
広間へと案内された
ワトリー、カオリ、そしてポテト。

メイドの指示で立派なソファーに腰掛け
しばらく待つと、重厚なドアが静かに開かれ、

メイドに手を引かれた年配のオス猫が
杖をついてゆっくりと現れた。

バーナード

・・・

ポテト

あなたがバーナードさんですか?

バーナード

はい
そうです。

ポテト

ボクは警察官のポテトです。
こっちは探偵のワトリー
えーっと助手のカオリです

バーナード

警察と探偵さんが何か用ですか?

ワトリー

バーナードさん、アイドルの
シオンを知っているのだ?

バーナード

アイドルのシオンねぇ、知っていますが、それが何か?

ポテト

実は今日、シオンさんが遺体で発見されまして。警察では猫殺事件として捜査しています

バーナード

それが私と何の関係があるのかね?

ワトリー

バーナードさんは以前、シオンのお客だったのだ。シオンを
“天使”と呼び、羽が散りばめられた部屋でシオンの写真を撮っていたと聞いたのだ

バーナード

プライベートのことはお話できませんよ

ワトリー

シオンがデビューした後も、
彼女にしつこく付きまとっていたと聞いているのだ。

バーナード

付きまとった? 確かに私はシオンの客だったが、彼女がデビューしてからは何もしていない。

バーナード

だいたい、シオンの代わりなど
いくらでもいる

ワトリー

では、なぜシオンの楽屋に羽の入った封筒があったのだ?

バーナード

さあ、誰かがそれを使ってシオンを脅そうとしたんじゃないかね

ワトリー

脅す? なんのためにそんなことをするのだ?

バーナード

アイドルが高級クラブで働いていたんだ、それなりの脅しには使えるだろう

ポテト

ではバーナードさんの犯行ではなく、脅しのために誰かがこの羽を利用したということ?

バーナード

そうかもしれないな

バーナード

・・・






その時、バーナードの視線がゆっくりと
カオリに移り、異様なまでに
じっと見つめ始めた。

その視線には冷たい
執着のようなものが宿っている。

ワトリーとポテトはその不気味さに背筋を凍らせ、
二匹とも思わず緊張に身をこわばらせた。


カオリ

・・・

バーナード

ワトリーくん、私はね病気で昨日まで、海外で治療していたんだよ
そんな年寄りに何ができるというのかね

ワトリー

そうなのか・・・
でもなぜ脅しだと思ったのだ?

豪華な応接室で、バーナードは
重々しい声で語り出した。

バーナード

まあ、今は違うとはいえ、
元はシオンの客でしたから
私の知っていることは
お話しましょう

ポテト

ご協力、感謝します

すると、バーナードの鋭い視線がカオリに移った。

バーナード

その前に、あなた・・・

カオリ

・・・

バーナード

以前、サーカス団にいましたね。あのサーカス団が廃業してしまったのはとても残念でしたが
こうしてまた出会えるとは
奇跡のようなものだ。

ワトリー

カオリはもうあの頃のカオリじゃないのだ!

バーナード

お話を続けるかどうかは、カオリさん次第ということになりますね

ワトリー

そんなこと、絶対にだめなのだ!

バーナード

では、お話はここで終わりです

待ってください、シオンさんは
亡くなっているんですよ!
何か知ってるなら話してください!

バーナード

だからこそ、カオリさん次第だと言ったでしょう?

ワトリー

もういいのだ! カオリを危険な目に合わせることはできないのだ!

バーナード

危険な目?なるほど、あなたは
まだ知らないのですね

いったいカオリさんに何をしようというんですか?

バーナード

私は何もしませんよ

ワトリー

帰るのだ

ワトリーはカオリの手をとり
その場を離れようとした

カオリ

わ、わたし…だいじょうぶ…

ワトリー

大丈夫じゃないのだ!

カオリ

ワトリー 信じて…

バーナード

さあ、カオリさん
あちらの部屋へ

メイドがカオリを連れてその場を離れていった。

ワトリー

カオリ

ワトリーが駆け寄ろうとした瞬間
バーナードは杖をすっと持ち上げて前に出し
低い声で言った

バーナード

大丈夫です、彼女に危害を加えたりはしませんから

ワトリー
カオリさんを信じよう。
エイミーを助けるためにも

ワトリー

それなら、シオンについて、
すべて教えるのだ!

つづく