ベシワク

うわっ!?

突然、視界が低くなった。
足元の土が崩れ、膝まで地面に埋まる。
地面はすぐに固まって、膝から下を固定した。

ベシワク

抜け出せない・・・!

リリーシカ

契約魔法ってさ、難易度高い魔法に使ってこそだと思うんだよね。そういうのって呪文が長いから、省略できれば強い。

リリーシカ

あいつが灯光魔法で契約してたのは知ってる。でも日常ならわかるけど、今は私と殺し合いしてるでしょ?

リリーシカ

契約内容変えろよ。

ベシワク

僕に言われても。

リリーシカ

私も契約魔法師なんだ。右手のフィンガースナップで落とし穴。さて、左手は何でしょう?

おそらく攻撃魔法がくる。僕は剣を構えた。
弾き飛ばせる奴だといいけど・・・。

リリーシカ

おかしいな、守り一辺倒? 私、君の間合いに入ってるはずだけど。

ベシワク

!!

リリーシカ

答えはね、左手のフィンガースナップは防御。

リリーシカ

この魔法陣が盾になるんだ。君が斬りかかってきたら、びっくりさせようと思ってたのに。どうして斬らないの?

ベシワク

・・・その顔をやめろ!

リリーシカ

顔? 顔のせいで斬れないの?

ベシワク

人と同じ顔のまま、殺し合いを演じるつもりか? 悪趣味だ!

リリーシカ

そういえば、やけにしおらしかったね。私に迫られてもされるがままでさ。女の子に弱いのかと思ったけど、もしかしてこの顔のせい?

ベシワク

・・・・・・。

リリーシカ

惚れちゃったの? ルーガルに!?

リリーシカ

かっわいそう! お気の毒に! ご愁傷さま! あっははは!

ベシワク

なんでそこまで笑うんだよ!

リリーシカ

だって私にはこんなに怒ってるのに、その元凶を好きになるなんてさ?

ベシワク

え? 何言って――

リリーシカ

やっぱ聞いてないんだ。私が魔結晶を集めるのも、島を襲ったのも全部全部――

ルーガル

――砕岩破〈ロックボム〉!

声とともに、僕の膝を固める岩が砕けた。
同時に火の玉がリリーシカを襲う。

リリーシカ

!!

魔法陣に火の玉がぶつかり、跳ね返って宙に舞い上がる。

リリーシカ

――ああ、やっと来た。

周りの木に燃え移った炎がはぜる中、リリーシカが嬉しそうに笑った。

ルーガル

やあ、リリーシカ。ピクニックにはいい夜だね。

リリーシカ

うん、久しぶり。会いたかったよ、ルーガル姉さん。