予約をした店は、今でも営業している大手チェーン店で、その後も何回かお世話になる事になるが、予約したボーイ(店ではそう呼んでいるので、以降ボーイって書きます)は、17年近く経った今でも良く覚えてる。ある意味、俺にとってはダークサイドな第二の人生の始まりだったから。
そのボーイは、とても素朴な顔で、お世辞にもイケメンではなかったけど、逆に俺はその素朴さに惹かれた。風俗に染まっていないって感じがした。会話の内容と源氏名は余りにも昔過ぎてさすがに覚えてないけど、十数年ぶりの若い男性の裸体は、何か聖なるものに見えてとても眩しく興奮したのを覚えている。
初めてのウリセンという事もあり、緊張していた俺は何をすれば良いか戸惑ったが、何をしたらいけないかだけは決めていた。それは、
・キスをしない
・性病に気をつける
・恋愛感情を持たない
だった。以前の記事でも書いたとおり、俺はキスが大好きだ。恋愛中に最も幸せを感じる瞬間はキスだったりするので、好きでもない人とキスをする事にはかなりの抵抗がある。病気については、もし妻に移してしまえば、精神的に傷付けるだけでなく、肉体的にも傷付けてしまう事になり、完全に取り返しのつかない事になる。恋愛感情について言えば、妻以外の人を好きになった時点で、それは妻への裏切りを意味し、万が一そんな事が起きてしまったら、子供がいない事もあり離婚するしかないと考えていた。風俗に行くこと自体が裏切り行為だし、本当に身勝手な理屈なのだが、この時は自分の弱さに負けてしまった。また、ボーイの方は商売でこんな年上の男性を相手にしているだけであり、相思相愛になるなんてあり得ないと考えれば、間違っても恋愛感情を持つことはないだろうと高も括っていた。後にそのあり得ない事が起きてしまうのだが....
もっとも、そんな事をボーイに言える訳ないから、キスをされそうになった時は軽く交わしてなんとか誤魔化した。キスを拒否られたボーイは次に俺のモノを咥えてきた。既に興奮の絶頂だった俺はあえなく果てたと思うが、実際の行為の過程については実はあまり覚えていない。興奮していたからだろうか。
結局、フェラだけをしてもらって、その日は終わったわけだが、この時は恥ずかしながら、性病について十分な知識が無く、生でのアナルセックスさえしなければ大丈夫だと思ってて、フェラに対しては全く抵抗が無かった。今にして思えば怖い話だ。
こうして、俺のウリセン初体験は終わったわけだが、この時に決めた禁止行為は、間違った知識があったにせよ、この先10年以上に渡って守り抜いた。偉そうに言える事ではないけれども。