守は昨日のゲームの出来事を思い返していた。
見知らぬ男たちに襲われ、

無力感に苛まれた瞬間、
助けを求めても誰も反応せず、
ただ通り過ぎていくプレイヤーたち。

その時の絶望と孤独が、
今も胸にこびりついている。


見てるだけだったら
あいつらと一緒ですよ



天城に言われたその一言が、

まるで刃のように心に刺さっている



そして、シンシアが涙ながらに言った

言葉が脳裏に蘇った

シンシア

自分たちも強くなるんだ



――彼女はあの絶望的な状況の中でも、

立ち上がろうとしていたのだ。

シンシアさん…勇気をください…

守は、震える手を握りしめ、

何かを決意したかのように立ち上がった。

体中の力が張り詰め、鼓動が速くなる。

これまで避けてきた責任や恐怖が
いま自分の前に立ちはだかって
いるような気がした。

しかし、ここで逃げてはならない。

今度こそ、行動するべき時だった。

守は2階へと走り出した。

紗良が更衣室のドアを開けようとした

その瞬間だった。

三井さん!!

紗良

どうしたんですか?

ちょっとこちらに来てください。

紗良

はい?

紗良は守の方へ歩き出した。

女子ロッカーの辺りは盗聴されているため

離れた場所に呼んだ。

あ、あの、じょ女子ロッカーに
ネズミが出たから、
退治しくれって言われて…

紗良

ネズミ?

え、ええ…ネズミにゴキブリや
ムカデ、それからえっと・・
へ、蛇とか…

紗良

そ、そんなに?

今日はトイレで着替えてください、ボクが退治しますので…

紗良

分かりました

紗良

ちょうど着替えを持ってきたからよかった

守は、紗良が無事にその場を離れるのを

確認すると、大きくため息をついて、

その場にへたり込んだ。

はぁ~

手はまだ震えていたが、守は少しだけほっとした。

(やっと…やっと何かができた…)

守は、自分が踏み出した勇気の一歩を
感じ取っていた。



しかし、まだ問題は終わっていない。

紗良のロッカーに仕掛けられた
カメラを何とかしなければならなかった。

彼女が戻ってくる前にカメラを取り除き

証拠を抑えなければ、
事態はもっと悪化するかもしれない。

守は誰もいないことを確認し
そっと女子ロッカーに忍び込んだ。

紗良のロッカーに近づき、
カメラの位置を確認する。予想通り、

カメラはロッカーの上に巧妙に設置されていた。

その向きや角度から、
間違いなく盗撮目的であることは明白だった。

守は死角に入り、慎重に近づく。

しかし、その瞬間、

守に妙ないたずら心が芽生えた。

僕が今このカメラに映ったら
どうなるんだろう?

守は一度手に取ったカメラを自分の胸元に向け
寄せて胸を演出し始めた。

太っている自分の体を利用して
まるで女性の胸の谷間ができたように見せる。

その姿を想像すると、
佐々木と森井が興奮している様子が目に浮かんだ。

これであいつらが盛り上がってると思うと、面白いな…

守はさらにエスカレートして、

自分の尻をカメラに向けた。

笑いをこらえながら、ズボンを半分おろし
お尻を振ってみせる

よーし、とどめはこれだ!!

そんな悪ふざけが楽しくなり、

とうとう彼はパンツを脱ぎ、

下半身をカメラに押し付けようとした。

その瞬間、ドアが勢いよく開いた。

田中さん

ネズミが出たって本当?!

!!!

(守は下半身丸出しの状態です)

田中さん

!!!

!!!

田中さん

きゃー!!
何やってるの!

ち、ちがうんです!

守は慌ててパンツとズボンをはこうとしたが、

手足がもつれ、よろけて倒れてしまった。



その瞬間、田中さんのエプロンと
スカートに手が触れ、

ずり落としてしまった。

いやー!!

田中さんは悲鳴を上げ
紗良は恐怖に顔をこわばらせた。

ま、待って、これは誤解なんだ!

守は必死に弁解しようとしたが、

紗良は震えながら

こないで!

その言葉が守の胸を強く突き刺した。

紗良ちゃん・・・

騒ぎを聞きつけて、主任と佐々木、
森井が駆けつけてきた

佐々木

マジか・・・

守は絶望感に包まれた。

佐々木と主任に取り押さえられ、
何が起きたのかも説明できないまま、

守はそのまま店長室に連行された。

終わった・・・

つづく