継子と暮らすようになり、小さい継子の育児を必死に頑張った。
喘息の吸入や風呂上がりの皮膚の保湿、歯ブラシの仕上げ磨き。
箸の練習やトイレトレーニング。
上の子2人もまだ小さかったので本当に大変だった。
最初は嫌いだなんて思わなかった。
私が頑張らないと、頑張ってこの子を大きくしなきゃ、私がお母さんにならなきゃって。
育ての親であるお婆ちゃんと離れ離れになったんだから、私が愛情を注がないとって。
継子は上の子2人とは全然違うタイプで、とにかく我儘、凶暴、癇癪持ち、泣き出すと耳を塞ぎたくなるほどの大きな声で叫び泣きする。
落ち着きがなく、楽しくなったりといった興奮するきっかけで誰かに噛みついたりする。
ダメって言った事は必ずする。
書類を破る。
上の子の学校の用品を壊す、ハサミで切る、障子に穴を開けて骨組みだけにする、ゲームを踏みつぶして壊す、などなど。
とにかく食べ物があったら食べまくる。
ダメだと言っても食べまくる。
ハサミでズボンを切る。
義母と夫と3人で暮らしていた時も夜中外に出て行くような事があったり、義母を怒って叩いたり、育てにくい子だったそうだ。
新しく通い始めた保育園でも大暴れだった。
私は躾をし直さないといけないと必死で叱ったりなだめたり、上の子2人を育てたような方法で躾をしようとした。
でもうまくいかない。
…なんだか今書きながら思い出して涙が出そうだ。
本当に辛かった。
保育園で大暴れする継子。
保育園の先生は私に問題があるかのように捉えていた。
お母さんは頑張ってますよ〜と言いながら、問題行動は私の対応が良くないからという事をまわりくどく言われる。
継子くんは、いっつもお父さん、お父さんってお父さんの話をしてくれるんです。
今日もお父さんの絵を描きました。
お迎えに行くと保育士に毎日言われた。
お母さんって言葉は出てきませんよ、と言いたいかのように。
悪意がないなんて、はっきり言って思えない。
彼女には悪意があったと思う。
家に帰って急いで夕食を作っていると義母から電話がかかってきた。
声を聞かせて、虫歯はできてない?ご飯はちゃんと食べてる?と。
くっそ忙しいのに、毎日毎日。
再婚してから、私の実子がどんなふうに大きくなったか大変すぎてあまり思い出せない。
あの子達もまだ小さかったのに。
いつも継子中心にまわって、振り回されていた。
今なら分かる。
一連のあれは私に対するハラスメントだったって。
母親になった私を試していたつもりだろうか?謎すぎる。
夫は転職したばかりで毎日遅かった。
継子が暴れても、物を壊しても、何をしても私しか大人はいない。
仕事でどんなに疲れても毎日世話をして家事をした。
でも保育士や義母はデリカシーのない言葉を投げつけてくる。
よく頑張ってるよ、と一度肯定したら、あとは何を言っても許されると思ってるように、人の心をえぐるような事を穏やかな口調、穏やかな笑顔で言ってきた。
はっきり言えることは、性格が悪く、意地が悪い人間なんだと思う。
人が必死にしてればしてるほど、嫌な事を言いたくなる性分なのだろう。
そういう奴はたくさんいるから珍しくもなんともないけど、あの頃の私には本当にこたえた。
そうやって日々生活しているうちに、こんなにも辛い思いになるのは、この子のせいじゃないのかと思えてきた。
この子のせいで穏やかな生活が送れないんじゃないかなと。
そして、なぜ私ばかりがこんな思いをしなきゃならないのか?と。
夫は何をしてる?仕事しかしてない。
完全に自分が消耗されているような気持ちになって、もう頑張れなくなった。
継子が暴れてるのを見て、マジで迷惑だとしか思えなくなった。
とにかくやめてほしい。
泣き叫ぶの、とにかくやめてほしい。
私は普通に暮らしたいのに、保育園では先生から意味深な心なき言葉を投げつけられる。
義母もそうだ。
私の寂しい気持ち、分かるわよね?
と必ず言ってくる。
みんな口を揃えてみんな、、、継子が可哀想と言う。
好きになれるかも、愛せるかも、という私の心の希望は木っ端微塵になった。
多分、時間の問題だったとは思う。
好きになれるかも、愛せるかもと思っていたし、はじめは好きだったし可愛いと思う気持ちもあった。
でも遅かれ早かれ、いつか気付く日がきていたと思う。
愛せないって。
でも、誤魔化しきれない日は意外と早くきた。
間違いなく、保育士や義母の影響は大きかったと思う。
愛せない、可愛くない、辛いって夫に打ち明けた。
ステップファミリーの本を買って2人で読んだ。
僕も桃子の子供2人を可愛いと思えないと夫も打ち明けてきた。
だからお互いの子供に愛情が持てないという気持ちは夫婦2人で共有している。
辛いんだと言った時、夫は理解してくれる。
夫も辛いから理解してくれるんだと思う。
こんないびつな家族でも家族として何とかやっていってる。
いつまで維持できるのか分からないけど。