早朝のおばーちゃんの家は少しざわざわとしていました

近所の人がおばーちゃんの横で心配そうな顔をしています

ただいまかえりました

おばーちゃん

為人!

どこに行ったか、心配していたのよ
なにか事件に巻き込まれたんじゃないかって…!

スミマセン…

近所の人達も口々に言っていることで、彼らがボクを心配してくれていたのだと気づきました

おばーちゃん

どこかで事故にでもあったのじゃないかと…
無事で良かったわ

心配かけてゴメンナサイ…

おばーちゃん

とりあえず一旦家に入りましょう

おばーちゃんはご近所さんに挨拶してボクと一緒に家に入りました
家の中には田代さんがいました

よかった!
心配しましたよ…

ゴメンナサイ…

お腹が空いたでしょう?
なにか用意しますね

あ…
ハイ

簡単な食事はしていましたが、せっかくなのでいただくことにしました
おばーちゃんも食卓に向かって座りました

おばーちゃん

…見かけない服ね?

ええと…

どう説明したものかと思いましたが、おそらく今後もコミュニティとかに顔を出すことになるかもしれないので、適当に話しておくことにしました

その…
伯父さんから逃げたときに転んでしまって…

困っていたら、その…
おとーさんの知り合いの人が偶然通りかかりました

偶然、は嘘ですが、ほかは大体大筋で正しいですよね…

おばーちゃん

まあ、お父さんの?

ハイ
困っていたら助けてくれて、訳を話したら一晩かくまってくれました

おばーちゃん

そうだったの!
この近くに住んでらっしゃるなら、一度ご挨拶したいわ!

しまった…
真夜はどう見てもおとーさんの友人の年齢ではありません
下手するとおとーさんの隠し子疑惑になりそうです…!

え、ええと…
今度話しておきます…
その人に服借りました

おばーちゃん

あれから警察の人が来てね…
守、こういうことは初めてじゃないのよ…
警察に連れて行かれちゃったわ

ああ…
おばーちゃんと田代さん、怪我ありませんか?

おばーちゃん

大丈夫よ
昭和の頃は子供の躾は叩いたりしてたの
今じゃ駄目だけどね
まだまだあの子には負けないわよ?

おばーちゃん

ほほほほほ

おばーちゃん

…でもね、もっと昔からちゃんと躾しておけばよかったわ
あの子が生まれた頃、長男だったから甘やかしちゃったのね

おばーちゃん

あなたのお母さんはしっかりした子だったのに…

……

さあ、ごはんどうぞ

ありがとうございます
いただきます

為人

ボクは食事して着替えました
伯父さんのゴタゴタでおばーちゃんも疲れていたのでしょう、それ以上尋ねられることはありませんでした

為人

それじゃあ、
学校行ってきます

おばーちゃん

気をつけてね
今回のことで思ったんだけど、
あなたにも携帯電話が必要ね

為人

…高い…じゃないですか?

おばーちゃん

ふふふ、心配症ね
それよりもなにかあったときに連絡取れない方が困るわ
今度買いに行きましょう

為人

ハイ、ありがとうございます…

おばーちゃん

じゃあ、行ってらっしゃい

つづく

第8話 2 オオカミ少年、無事帰還する

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