もう、星野園長大好きだ。かれこれ1時間は話している。こんな人間がいるならまだこの世界も捨てたもんじゃないな。



いや~そんなことないですよ~





いやいや、ポチ君が目覚めてくれたおかげで、ここ吸血園も明るくなった気がするよ


もう、星野園長大好きだ。かれこれ1時間は話している。こんな人間がいるならまだこの世界も捨てたもんじゃないな。



・・・・まぁ経営はまったく明るくなってませんがね・・・


あぁ、何か聞こえる、古賀でしょうか・・・



だめですよ古賀君、そんな言い方したら失礼ですよ。


いいえ、天使でした。
もうだめだ。今まで悪魔のような人間としか関わってなかったからギャップが強すぎる。泥ばかり食わされた後にチョコを食うような感じだ。
そういえば元の世界はバレンタインがあっている頃か・・・星野園長に渡すか。僕の血を入れたチョコを。吸血鬼だけに。



それはそうと、そろそろ閉園時間だ。もう戻らなきゃね。





え~もう星野園長とお別れですか~





はは、今度は僕が檻にくるよ





あ~あ、星野園長が僕の飼育担当だったらよかったのに・・・





・・・・・


あっ、今のはさすがに言い過ぎたかな・・・・いや、今までの事を考えるとこれくらい・・・



こら、ポチ君それはさすがに・・・





いいですよ、今晩の飼育担当は星野園長にお任せしますよ。


えっ



でも・・・





私も早く帰りたいですし、こいつもなついてますから、星野園長がよろしければお願いします。





・・・古賀君がそう言うなら今日だけ僕がポチ君の飼育担当になろうかな


やったぁぁぁ!言ってみるもんだな!!
なんだこれは!最高すぎる!



・・・ということが前世ではあったんですよ~





ふふ、それは愉快な話だね


すごくいい雰囲気だ・・・どうしよう、告白したほうがいいのか僕・・・



ポチ君の話が楽しくて日が暮れてしまったよ


よし、告白しよう。一生僕を飼育してください、と



そういえば、あの日もこんな夜だったな~





なにがですか?





実は僕が園長になる前に今日みたいに帰りが遅くなって寝てしまったことがあったんだ。それで朝目が覚めたら・・・・





ぐっ・・・うぅ・・・





大丈夫ですか!?





・・・でた・・・





え?





ズタズタになって死んでいたんだよぉぉ!





いっ!!??





ギヒヒ、この姿に戻ったのも久方ぶりだな・・・





誰だよ!!


目の前には優しかった星野園長の姿はなく、何とも形容しがたい化け物がいた。



ギヒヒ、では最初の食事として・・・


うむ、なんとなくだが次のセリフが理解できてしまった。皆は分かったかな?なに?まだわからない?さては適当に流し読みしているな?そんな君はもう一度しっかり読み返してハートのボタンを押すんだ。
さぁ、答えはこれだ!



貴様を食べてやろう!!





いやぁぁぁぁ!!





ギヒヒ、おや?この匂い、貴様もしや・・・吸血鬼か?





うす・・・もしかしてお嫌いですか?





残念!大好物だぁ!





いやぁぁ!痛い!まじで痛いって!


死ぬ、まじで死ぬ。一応吸血鬼だから死なないのか?わかんないよ!僕にはわかんないよ!



ギヒヒ、では・・・いただきま~す





うぁぁああぁあぁぁぁぁ!





・・・・はぁはぁ





ぐおっ・・・





ぐぅ~





・・・・助かったのか?





やれやれ・・・手のかかる園長だ


古賀!



星野園長は満月を見ると悪魔に変わる、悪魔男なんだ。まっ自覚はないんだがな。





うぅ・・古賀~怖かったよ~


古賀を見ると安心して涙がでてきた・・・
やっぱり僕の担当は古賀しか・・・



古賀!さっきは僕が悪かっ・・





じゃ、おれ帰るわ。また明日





ぐぅぅ~





おいぃ!これも持って帰ってくれぇ!





勤務時間外ですので・・それでは失礼いたします。





おのれ古賀ぁぁぁ!


その夜、僕は一睡もできなかった。
次の日、星野園長は寝てしまったことを謝罪してきた。そしてこれからたまに遊びに来ると言ってくれたが丁重にお断りした。だって、トラウマだもん。星野園長はすこし寂しそうにしていたが仕方ない、許してください。怖いんです・・・・



え?わざと満月の日を選んだのかって?さぁ?何のことか私にはさっぱりわかりません。きっとあなたの考えすぎですよ。では、またのご来園をお待ちしております。



園長は悪魔になる自覚がないんですねw
だんだんと面白くなってきましたww