ある日の朝、僕は外出が許された。



ポチ、出ろ





お?


ある日の朝、僕は外出が許された。



いったい何をするんだ?


そう、僕は浮かれるわけにはいかない。なんせ相手はあの古賀だ。いくら久しぶりの外出だからとはいえ気を抜いてはいけない。急に戦地に送られる可能性もある。
冗談だと思ってるだろ?あの男はやりかねないんだよなぁ、だって古賀だもの。



まぁそう警戒するな、今日はある人物に会うだけだ。


まぁそれならひどいことは起きないだろう。
決してフラグではない(願望)
ふぅ~何十年ぶりかに檻の外に出た気分だ。
新鮮な空気、心地良い風、風になびく草木たち、なんて気持ちいいんだ。
しかし何といっても朝日を浴びることができたのが最高に嬉しい。さんさんと照り付ける太陽。僕の細胞1つ1つが喜んでいるのを感じる。ふふ・・・嬉しすぎて体が熱いな・・・燃え尽きるほどヒートってやつかな・・・
ふぅ~・・・熱い・・・熱い・・あt、痛い!?



ぎゃおす!?


僕は日陰に転がり込んだ。
まじで死ぬかと思った・・・体が焼けながら消えていくのは血尿を初めて飲んだ時レベルのトラウマだ・・・



あっ、テキストが深緑から黄色に変わったのは背景と文字の色が被って見えにくくなるのを防ぐためです。





え?それ今言うこと?


古賀よ、お前の飼育担当である僕が死にかけているにもかかわらず読者への配慮を忘れない・・・さすがとしか言いようがないな。
それに今回は僕が吸血鬼であることを僕自身が忘れていたから起こったことであって古賀は悪くはないよな・・・・反省しよう。



それにしても予想通りのリアクションだったな。わざわざ快晴の日を待ってよかったぜ。


否、全部古賀が悪い、神羅万象この世の理すべての悪い出来事は全部この男のせいだ。
世界平和のために僕が必ず古賀を殺そう。
皆応援してくれ。
幸い、ここ吸血園は他の動物園に比べ、日陰が多いらしい(古賀情報)僕は日陰を選びながら古賀についていった。



ほら、着いたぞ。





失礼します。





・・・失礼しまーす





やぁよく来たね、待ってたよ。


そこには、優しそうな・・・そう、古賀とはまるで正反対のような人間がいた。



ポチ、今日の晩飯は・・・尿だ。





血すらないのかよ!!


なぜ古賀は僕の思考が分かったんだ・・
本当に古賀が人間なのか怪しくなってきたな・・



ははは、これまた元気な吸血鬼だ。
古賀君、あまりいじめないようにね。





・・・・はい


え、まさかこの人・・・



申し遅れました、吸血園の園長やってます、星野です。よろしくね


まだ数回しか星野園長のセリフはないが僕は確信した・・・・
めっちゃいい人だと!!!



うぅ・・・やっとまともな人間が出てきたよ・・・


人間不信になりかけていた(原因・古賀)僕の前に現れた星野さんはさながら天使に見えた・・・・
このときまでは・・・・
