この日は、朝から雨…
 
 
 
 
この雨の中、中庭をこちらに向かって

走ってくる1人の老女。

なにか急用ができたのか

お義母さんが大急ぎで、はなれからやって来た。

ちょっと、いやな予感…(-∀-;)

姑

ハァハァ…
テレビを見なさい。
教育テレビ。早く!
ハァハァ…

嫁

な、なんですか?
急に…

姑

マッカーサーが
やっているから
はよっ!

嫁

マッカーサー…

お義母さんの剣幕に押されて

一緒にテレビを観るはめに…

姑

吉田茂は、
サンフランシスコ講和会議で
「日本は戦争に負けたのであって
奴隷になったのではない」
って演説したのよ。
…で、この時に吉田茂の
側近だったのがこの白州次郎よ。
この人はマッカーサーを叱った
唯一の日本人として…
…なんとか、かんとか…

嫁

はぁ…

番組は白州次郎という人のお話だったが

終戦直後、神より上と言われたマッカーサーを

叱った男として紹介されていた。
 
 
 
 
テレビの解説に合わせて

お義母さんの意見も加わり

嫁は全く身動きが取れなくなった。
 
 
 
 
たしかに、

吉田茂とかマッカーサーとか

歴史の教科書でしか知らなかった人と

リアルタイムで生きていた人が

私のすぐ隣にいるというのも

不思議な感じがする。しかし…

嫁

ああ、
子どもたちが帰ってくる前に
やりたいことがいっぱい
あるんだけど…

今を生きる嫁。

しょうがない、あの手を使うか…

嫁

ところでお義母さん、
来週の岩男さんちの一周忌法要は
何時からですか?
あれは、私が参列するんですか?

姑

岩男さん…?

嫁

岩男さん!

姑

ああ!岩男さんちの法要ね。
えーと、何時からだっけ?
えーと…

嫁

・・・・・・

すっかり現実に引き戻されたお義母さんは

マッカーサーより岩男さんが

脳内を支配し始めた!

姑

ちょっと、電話で聞いてくるわ。

姑、退散。

高齢者にとって冠婚葬祭は最重要事項です。

嫁も失礼なきよう、上手に利用しましょう。