同日 昼前
安土城 城門前
同日 昼前
安土城 城門前



しかと役目を果たすよう





はっ!





いやぁ、先輩、案内とか良いですってw





良い。秀一には我が裁量を与えておる。道中難儀がないよう言って聞かせておる。なんでも申し付けよ





先輩が魔王モードだw





ちょ、お前、茶化すなよ!笑うw





竹、家康をくれぐれも頼むぞ





はい、上様!上様も、どうかご武運を!戻られたら、お相手してくださいね…最近おそばに侍るのは蘭丸ばかりで、竹は寂しく存じます///





あ、う、うん…わかったわかった





んじゃま、世話になりました


キリッ



苦しゅうない





あとで京都来るんすよね?またそんときにでも顔出しますわ





うむ





よぉーし、行くぞ!





はっ!





いやぁ、しかし別格のもてなしでござったなぁ!





ふん、主は油断しすぎじゃ!我らがなぜ共についたか、忘れたわけではあるまい!?





がはは!安土様が我が殿を討とうなどとするはずはなかろう!





まぁ、それもそうだな!がははは!





まったく…脳筋どもはこれだからいけませんね





誠だな。いい加減、考えをめぐらすということを覚えた方が良い





まぁーまぁー、お前ら、喧嘩すんなって!あれはほら、光秀殿のぷろでゅーすだから!





殿も殿です!その話そのものが織田家のたくらみかもしれぬと思われなんだか?





えー?でもほら、俺、先輩とはチビのときからの仲だし





親兄弟を討ってでも名を上げるのが戦国の世でありますぞ。ゆめゆめ、油断召されるな





心配しすぎっしょ?先輩に限ってそれはないない!むしろ光秀殿の方が何考えてるかわかんないから怖いけどwww





…殿はあきれたお方だ…我々の身にもなっていただきたい





お、お言葉ですが!上様はそのようなお考えは持ち合わせておりませぬ!





ふむ、お主は確か、安土様の小姓であったな?





はい、忠勝様





では聞かせてはくれまいか?安土様はいかなるお人か





上様は…えぇっと、その…す、すごく、大きいです…///





いやそうじゃなくて





あと…そうですね…乱れ牡丹や、うしろやぐらがお好きです///





な、なんと!





背後から一突きとは、武士にあるまじき…い、いや、しかし…床でのことであるのならそれもまた…





魔王信長殿であれば、そのような奇襲も見事に成し遂げるではないか?





忠勝様に忠次様は、どのようなものがお好みで?





うむ、俺はやはり燕返しや吊り橋だな!正面からでなければならん!





悪くはないが…ありきたりだな。帆かけ茶臼や締め小股の方が城門を突き崩す勢いがあって良いものだ





お主らはいったいなんの話をしておるのだ!武士ならば鵯越の逆落としに興を見出さずしてどうする!





直政どの、そっち行っちゃダメ。我々は知的に諭していくのが役割だから





殿!殿はいかがでございますか?!





えー、俺?俺は自分でするのがめんどうだから、流鏑馬一択かなぁ…





な、なんと!





なりませんぞ殿!





殿ほどのお方が馬になるなど!たたかれるんですか?!尻をムチでたたかれるんでございますか!?





直政どの、落ち着いて。今、拙者、直政どのに一番引いてますから





あれ、そういえば服部の姿が見えぬな?





うむ?あぁ、確かに…





あー、半蔵なら先に堺に向かわせたよ





なんと?下見でございますか?





なんだか甲賀衆が動いているらしくってね。念のために、堺に先入りして、危険がないかどうか調べてもらってる





そうでござったか…殿、申していただければ某が拝命仕ったのに





忠勝殿に調べものとか無理でござろう





うむ、間違いござらんな





なにおう!?貴殿ら、それほどに我が蜻蛉切のサビとなりたいか!





はしゃぐな忠勝。お主、声でかいんだから馬が驚く





くぅ…ま、まぁ良い。して、安土殿のお人柄、だ





あぁ、はい。上様はお優しい方ですよ。もちろん、戦ともなれば容赦はありませんが…家臣郎党、皆、上様に大切にしていただいています





にわかには信じがたいのぅ





そうですね…姉川の合戦をご存知でしょうか?





ふむ、浅井・朝倉を討った戦じゃな





はい。当初上様は、浅井朝倉ともに討つつもりはございませんでした。しかし、そんな折、浅井に嫁がれたお市様より密書が届きました





密書とな?





はい、直政様。密書にはこうありました。『お市は、小谷様より、人とも思えぬ扱いを受けておりまする』





なんと…!





ん?それはどういう意味じゃ?





狼藉を働かれていたと?





その通りでございます。お市様は、浅井様よりでぃーぶいをお受けになっておられたようです





でぃーぶいと!?それは許されぬな…





密書をお読みになった上様はたいそうお怒りになり、浅井朝倉への挙兵と相成りました





あー、なんかその話聞いた気がするなぁ。先輩、お市殿と三姉妹にデレデレだったし、そりゃぁ怒るよね





では、誠のことであると?





しかし、それでは光秀様はなぜ信長様がかのような傍若無人の振る舞いをすると喧伝しておられるのだ?





きっと、上様をお守りする意図があるのだと思います。そのようなお人柄であると思えば、やすやすと戦を挑みませぬでしょう?





納得できるような、できぬような…





であるならば、光秀殿はどのような御仁であるのだろう?





それは某も聞きたく思う。あの方ばかりはそこが知れぬ





あぁ、光秀様ですか。あの方は――――


