そう力強く断言するが、チーシャは心配そうにこちらを見ていた。
今回の悪夢は君にとって強敵だ。覚悟はいいね？
私にしかできないことだもの。ここで逃げたりはしない！
そう力強く断言するが、チーシャは心配そうにこちらを見ていた。
今、私たちは主婦をしているおばさんの夢の中にいる。今回の悪夢の被害者。それがこのおばさんだ。
おばさんは夢の中でイスに座り泣いていた。その周りを鎖のような黒い霧が縛り上げている。
おばさんはなぜ泣いているのだろう。私はおばさんに声をかけた。
あの、大丈夫ですか？
……
あの、えっと……
……こもり
えっ？
このひきこもり！
突然投げられたおばさんの暴投に、私のガラスのハートにヒビが入る。
あの、えっと？
隆、あんたはいつも部屋にこもってはゲームばっかりして。学校も行かず、友達も作らず、恋人もいなくて、あんたこれからどうやって生きていくつもりだい！
どうやらおばさんは自分の息子である隆くんに文句を言っているようだ。だが、しかし。同じく半ひきこもりの私には、この攻撃。いや、口撃はかなり効く。
母さんあんたの将来が心配だよ。早く母さんのことを楽にしておくれ
ついにおばさんは涙をドバドバ流し泣き始めた。これには私もついに耐えきれなくなる。
うぇ、うぇ
ちょっと、朝華どうしたんだい？
わーん！ お母さん、ごめんなさーい！
はぁ、だから言わんこっちゃない
私とおばさんが声をあげて泣くなか、一匹チーシャは呆れたような表情を浮かべていた。
