


こんにちは、ノーチェさん!





ああ、こんにちは





まさか、こんなところでノーチェさんに会えるとは思っていませんでした





同感だ。俺達には何か、不思議な縁があるのかもしれないな





……?今日は彼と一緒じゃないのか?





へっ?





あ、あー!えーと、今日は彼へのサプライズプレゼントを探しに……





ほら!昨日は私が道に迷っちゃったせいで、一ヶ月記念が台無しになっちゃったし!!





お詫びも兼ねて、みたいなー……あは、あはは





ふっ、なるほどな。仲が良さそうで、何よりだ





それより、ノーチェさん





ん?





さっきの女性は、もしかして……彼女さんですか〜?





……一般人から見たら、そう見えるのか?





いや、彼女は……





…………





……?





……ここで正直に「部下」と答えるのは、おかしい。彼女の服装は騎士団のものだったし、騎士団の上司なんて王家以外ありえない





今この街に滞在しているのは、自分を王家だと公表するためじゃない……あくまで、俺は一般人として来ている……





だからと言って、彼女と"同じように"ナギのことを「恋人」と騙るのは……些か、抵抗がある





えぇと……ノーチェさん?なんだかいきなり失礼な質問しちゃって、ごめんなさい……





ああ、いや、すまない。少し考え事をしていたんだ





彼女は……友人の妹だ





見回りをしながら、俺の雑談に付き合ってくれていたんだ





へぇ〜、ご友人の妹さんでしたか……遠目から見ただけですけど、なんだかとても真面目そうな方ですね





ああ、彼女は自身の立場を誇りに思っている。何事に対しても真摯に向き合う、強い子だ





……おやぁ?随分、彼女さんのことを信頼しているんですね





ああ。頼りになる子だよ





…………たまに、鬼のように怖いがな





あはは!ノーチェさんにも怖いものがあるんですね





一体、俺のことをなんだと……





…………?





ん、どうしたんですか?突然黙っちゃって





いや……





さっきまでの……俺を尾けていた存在の気配が、しない…………?





どういうことだ?俺を尾けているなら、この場に留まっている限り動くはずは……





っ、まさか!!





えっ!の、ノーチェさん!?





すまない、急用を思い出した!失礼する!!





……あ、足が速い…………





今の奴が、ノーチェか?





うん、そうだけど……どうしちゃったんだろ、いきなり





さぁ?急用を思い出したって言ってたし、何かあったのかもな





うん……なんだか、ちょっと心配かも





おいおい……





言っとくが、ボクは反対だからな





凄い、以心伝心ってやつ?





経験則。散々振り回されてきたから、予想できるだけだ





えへっ☆





予想できるなら……無駄なことも、分かっちゃうよね?





………………


