とある夢に入った時のこと。その夢の悪夢は凶暴で、私一人では抑えきれなかった。

　焦りは隙を生む。遂に力負けし、私は悪夢に吹き飛ばされた。その瞬間を狙い悪夢が攻撃をしかけてくる。

　私の名前を呼ぶ声。同時に体が突き飛ばされた。
　突き飛ばされた衝撃で地面を転げまわる。痛みを感じつつもなんとか立ち上がると、そこにあったのは、

　悪夢の攻撃により傷ついたチーシャが横たわっていた。
　すぐさまチーシャの元に駆け寄る。

　チーシャが必死に言葉をつむごうとする。

　チーシャの体が透き通っていく。

　そのままチーシャの体が完全に透明になり、四散する。

　その瞬間、私の中で何かのスイッチが入った。

　私の中の怒りが、悲しみがオーラとなり体からあふれ出す。
　さきほどまで暴れていた悪夢が、ウソのように怯えていた。
　今の私はただの眠井朝華ではない。

　そこには先程までとは違う、『戦士』の姿があった。

　チーシャがため息をつく。
　そう、さきほどまでの出来事は私の創作、妄想なのだ。我ながらよくできた物語だ。

　この日、私の人間不審度はちょっぴりアップした。