遠くから、子供たちが無邪気に遊ぶ声が聞こえる。
遠くから、子供たちが無邪気に遊ぶ声が聞こえる。



ね~ね~みて!
この花びら奇麗だよ!





良いな~
私も欲しいな~





ダメだよ~!
これはワタシの宝物にするんだから
違うのを一緒に探してあげる!





うん!


自分達の気に入った落ち葉や花を探しては
見せ合い、また探す・・・。
よほど夢中になっているのだろう
一人の少女が近づいても気が付いていない様子だ!
あれからどれだけの時間が過ぎただろうか?
少女も仲間に入れてほしいのであろう。
勇気を振り絞って、声をかけたのである。



あの~。





うゎあ!!





えっ、ナニ?





大きく深呼吸をして





ワタシも一緒に探しても良い?





いいよ~





うん。
みんなで探したほうが、
い~ぱい、見つかるしね~。





ありがとう~


この日をきっかけに、
三人はいつも一緒に、過ごすようになったのである。
ある日を境にするまでは・・・。



あのお魚さん、可愛いよ!





あっ
本当だ~!





うわぁ~
飛んだよ~





どれどれ~





次は、イルカさん見ようよ!





イルカを見たら、
ペンギン見に行きたいなぁ~





わぁ~い!


水族館の生き物たちに魅せられて、
あっと言う間に、時間が過ぎていく。



そろそろ、帰らないと・・・。





もうちょっと、見たいなぁ。





約束は守らないと、お母さんに叱られて
もう一緒に遊べなくなっちゃうよ!





そうだね。
お母さん達も外で待ってるもんね!


こうして水族館を後にした三人であった。



バイバイ。
また、遊ぼうね!





ばいば~い!





うん!
また遊びましょう!
ばいば~い!


こうして別れた三人であったが、
これが三人で過ごせる最後の時間になるなんて
この時は誰も予想出来なかった・・・。



危ない~!
行かないで~!!





いつになったら・・・。
せめて夢の中だけでも、
一緒に過ごしたい。





また、保健室でサボってるの?
ベットが水浸しだけど、まさか・・・。





ち、違うの!
これは、ナミダよ!
決してオネショじゃないからね!





あ~ら!
そんな事、一言も言ってないわよ!
やっぱり・・・。





だから、違うって言ってるでしょ!





おふざけが、すぎたかしら。





また、あの夢を観たんでしょ?
なんでまた、今になって・・・。





私が聞きたいわよ!
なんで、あの時
別れちゃったんだろうって
今でも後悔しているの。
せめて夢の中だけでも・・・。





仕方ないのよ。
誰も悪くないんだから。
最近その夢のせいで、
ちゃんと寝てないんでしょ。
今はゆっくり寝たら?





そうする。
先生には、よろしく伝えておいて!





いいわよ!
任せなさい!


まともな睡眠をとれていないみなみを心配しつつ
一人教室に戻るあかねであった。
なぜ、今になって彼女の夢を観るのだろうか?
それも同じ夢を何度も何度も・・・。
