別荘は、大きかった。
少し小さいなんて嘘だ。ありえない。
普通の一軒家よりだんぜん大きい。
しかも、けっこうおしゃれ。
なんのためにこんなところに建てたんだろうと思いつつ、あたしは扉を開けた。
中では、もうみんなすでに集まっていた。
別荘は、大きかった。
少し小さいなんて嘘だ。ありえない。
普通の一軒家よりだんぜん大きい。
しかも、けっこうおしゃれ。
なんのためにこんなところに建てたんだろうと思いつつ、あたしは扉を開けた。
中では、もうみんなすでに集まっていた。



ごめんねー。ちょっと遅れちゃったー


ありすちゃん、新多くん、雅也くん、それから、ありすちゃんの妹のあいりちゃんだ。
これが、清黎学園高等科天体観測部のメンバー。
…はじめてそろったとこ見たかも。



遅いおそい―。待ちくたびれたよぉ?


ありすちゃんが口を尖らせそう言った。
休日とはいえ、美少女のおしゃれはてぬかりがない。
山の上だからという理由で動きやすさをとことん追求したあたしとは違い、同じパンツスタイルだというのに可愛らしくて仕方がない。
…メイクだってばっちり。



ごめんごめん、ちょっと出るの遅れて―


あたしはキャリーを引きながら、みんなのところへ寄った。



大丈夫ですよ、あんセンパイ。うちらだって今来たとこですから。


そう横からフォローしてくれたのは、これまたかわいらしい美少女。
あいりちゃんはありすちゃんとはまた違った雰囲気の美少女だ。
少しくせのある黒髪に、めがねをかけた姿は少し冷たい感じもするが、人懐っこい笑顔は女のあたしでも心くすぐられてしまう。
ふたりともあまり似てはいないが、かわいらしいのは変わらない。
そして、すごく仲良し。
今日の服も色違いの同じデザインだ。



じゃ、みんなそろったとこだし、これからどうする?


ぱんっと手を打って新多くんが言った。



観測の準備は出来てるしなぁ。…なんかしたいことない?





なんでもいいよぉ。…あんセンパイ、なんかあります?





えぇと…


一気に3人の目が集まって、あたしはたじたじになる。
今はお昼。
確かにお星さまが見えるまで時間あるけど…



…ど、どうしよう…。探検でもする?


我ながらすごく子供っぽい提案だったとすぐに気がついた。



探検って…。あんちゃん、かわいー





たしかにこのあたりの景色ってきれいですよね。あたし、行ってみたいです。





そーだね!…じゃ、行ってみよー!


新多くんが立ちあがって言った。
…よかった、みんな賛成みたい。
つられてあたしとありすちゃん、あいりちゃんが立ちあがった。



雅也も行く?





俺はパス


新多くんが訊くと、雅也くんはぶっきらぼうに答えた。
そのまま、キャリーをひいて別の部屋に行ってしまう。
…なんか、気に入らないこと言ってしまったかな、とあたしが落ち込んでいると、新多くんが笑顔でフォローしてくれた。



…大丈夫だよ、あいついつもあんなだから。





…うん


それから、4人でコテージの周りを探検した。
あいりちゃんの言ってた通り本当に景色がきれいで、結構遠くまで行ってしまった。
その途中、川を見つけたあたし達は、休憩がてら水遊びをした。
そういうことはめったにできることでもなかったので、結構長い間そこにとどまってしまい、気がついた時にはもう夕方になっていた。
コテージに帰ってからは、4人で料理をした。
せっかく山に来たんだから雰囲気だしたいというありすちゃんのわがままに合わせてみんなでカレーを作った。
さすがに外では作れなかったが、滅多にしないという料理をありすちゃんとあいりちゃんは彼女たちなりに頑張っていた。
…でもやっぱり、こんなにかわいい美少女には家庭的であってほしかったな、とあたしはちょっとがっかりした。
とはいえあたしも料理はそれほど得意な方ではなかったので、――結局味付けは一番料理上手であるということが今日発覚した――新多くんにやってもらった。
なんだか男子の方が家庭的であるということにはショックを受けたが、とりあえすカレーの味は天下一品だった。
