ちゅんちゅんという鳥の声で俺は目を覚ました。
ちゅんちゅんという鳥の声で俺は目を覚ました。



ふあー、よく寝た。
干し草って意外に柔らかいし、暖かくて良いんだな


背伸びをして周りを見る。
フィリアがすぐ横で寝ていた。



!


慌ててちょっと離れた俺だが、起きる気配はない。
恐る恐る俺はフィリアの顔を覗き見る。



こうやって見ると普通の美少女にしか見えないよな。
何でこんなに残念な感じになったんだろうな


小さく呟いてみたが、起きる気配はない。
だがこれ以上悪口になりそうな事を言って、目を覚まされるのもアレなので俺は沈黙してフィリアを見る。
サラサラの金髪に白い肌。
黙って眠っていれば美人だし、とても好みだなと俺は思う。
だがこれからの人生を一緒に歩いていくには、中身の相性が大切だと俺は思うのだ。



でもこうしてみると何処かであった事があるような気もする


でも覚えがないから気のせいかなと俺は思って周りを見回す。
ここはとある農家の小屋であるらしい。
わらが大量に積んでありふかふかだったのでここで一夜を過ごす事にしたのだ。
黙って借りたのが申し訳ないが今は緊急事態なので仕方がない。
そこで周りを見るとレイトは蝙蝠姿のまま眠っている。
スペースをそこまでとらなくていいからという理由らしい。
そこで俺はそろそろ起きて移動しないと持ち主に気付かれるかも、と思った俺は、



フィリア、そろそろおきて下さい。レイトも





うーん、あともう少し





あともう少し





もう朝ですし持ち主に気付かれると困ります





そうねー、キスしてくれたら起きるわよ~





キスは恋人同士がする物です。
下僕とする物ではありません





……





……


無言でフィリアとレイトが起きて俺を見た。
フィリアの視線がやけに冷たい様な気がしたが、そこで、



まあいいわ。
さて、行きましょう。
折角だから途中の温泉街にでも寄っていきますか





そんな余裕があるのですか?





綺麗にしないと恋人が出来ないわよ





温泉はいいですね!


俺がそう返すと、フィリアが少しじと目になった気がしたが、何でだろうなと俺は思っただけだったのだった。
やってきたのは、湯気が立つ温泉街だった。



美容にいい温泉だったのよね





温泉でナンパ……いけるか


フィリアに冷たい目で俺は見られたので、俺は沈黙した。
そして俺達は男女別の温泉に。
レイトは人型に戻り、



よし、ナンパを後でするぞ。
まずはその前に温泉へ行くぞ





お、おい、レイト、張り切り過ぎだ


やる気満々なレイトに俺は、何か失敗しないかと不安を覚えているとそこでレイトに嘆息された。



ユニ、お前はどうしてこんな時でもそんな甘い事を言っているんだ





え、いや、でも……張り切って失敗してもしかたがないだろう?
レイトがよく緊張して余計なことを言っているのも目撃したし





……





あまり焦りすぎてもしかたがないから、出会いは大切にしないと





……お前なんて女体化してしまえ





! なんてことを言うんだ!





ふ、僕は彼女を作って逃げるがな


更に薄情なことを言うレイトを見つつ、俺達は温泉に向かったのだった。
温泉はそれほど混んでいなかった。
なのでとりあえずは温泉に浸かりに行く。
ここは男女別になっているらしい。
つまり隣が女湯。



ユニ





何だ?





女湯をのぞくべきか迷うんだが





ただでさえ追われているのに追ってくる人数を増やす気は俺にはない





そうだよな。
はあ、隣では女の子達がキャキャうふふなんだろうな





さっきの入浴帳を見たらフィリアしかいないようだったけれど





良かった、見に行かなくて


安堵するように呟くレイトが、そこで俺に近づいてきて、



それでこれからどうするんだ?





え? なにが?





……





?





“神殿”に忍び込むって話





ああ……忍びこむ前に追い出されそうだよな





……なるほど。
となるとこれからはゆっくり彼女を探していく、ということかな?





それもできるだけ早く。
俺だって女になるのは嫌だし


そう思いながらも俺は久しぶりの温泉の心地よさにぼんやりしてくる。
追われている立場だといって逃げてきたので、こんな心地よい思いができる時間はなかった。
生きている感じがする。
俺がそう温泉を楽死んでいるとそこで、



でもユニコーンの血筋なユニも、“神殿”は求めているようだったんだよな





何で俺が?





というかそれもあって、急いでいたんじゃないのか?
彼女探し





……





ユニコーンの血筋は若くて彼女や伴侶がいる時に最大な力が出るはずだ





……俺が女体化させようって話になったのは、飲み会のノリだったよな?


俺がレイトに効くと頷くレイト。
けれどすぐに沈黙してから、



本当にそれだけでこんなことを決めるのかなと僕も思ってね





……いや、母さんだし





……





レイトはどう思う?





……僕の母だからな


そこで俺とレイトは沈黙した。
それからお互いため息を付いて、



その辺りは考えないようにしよう。
とりあえずはナンパを頑張ってみよう





そうだ、きっとそれが建設的だ


これらの結論に達した俺達だが、結局はナンパは失敗に終わったのだった。
