人の振り見て
我が振り直せと言うけれど

日曜の午後、友人とランチとおしゃべりを楽しんでいました。
食べるものも食べたし、紅茶の美味しいお店に移動して、デザートを食べに行こうとなりました。

いわゆる別腹です。

ランチを食べたお店を出て、道を間違えながら歩いていた時です。

こんなところで停まるんじゃねえ!!

という声が背後から聞こえてきました。

振り返ると、日曜の駅周辺は車でごったがえしています。
先の赤信号で停まった車が、私たちの方まで渋滞していました。

その中の一台が、信号のないT字路の横断歩道の上で停まっていました。

その横断歩道を渡りきったであろうおじさんが、車に向かって叫んでいました。

横断歩道で停まるんじゃねえ
って言ってんだよ。

そうは言っても、その車は前も後ろも車が停まっていて、身動きができません。

先にある信号は、まだ変わっていません。

私と友人は、それをしり目に、目的の紅茶屋さんに向かいました。

なんで停まってるんだよ!!

なんでと言われても、きっと、その運転手さんは、ついうっかり、横断歩道の上で停まってしまったのです。

どけ!
っつってんだろ!!

遠ざかるにつれて、おじさんの声は小さくなって行きました。

ある程度離れると友人が、

友人

どけって言われてもねぇ。

佳純

そうだよね~。

ぼそぼそっと言っていました。

私にも覚えがあります。
うっかりと、停まってはいけないところに停まってしまうこと。

それは慌てます。

佳純

いや~。
早く信号変わって~。

と、祈るような気持ちになります。

佳純

そこまで厳しく言わなくても……。

友人

ねぇ……。

そんな気分でした。

でも、交通ルールを守っていないのは、車の方です。

横断歩道の上は
駐停車禁止です。

それに、T字路から入ってきた車が横入りできないように詰めたのかもしれません。

そっちにも車がいました。

悪いのは車の方です。

友人

なにも……、

佳純

そこまで強い口調で……

友人

言わなくても……、

佳純

いいんじゃないのかな?

何も言わずに歩いていましたが、そんな雰囲気でした。

自分に置き換えて考えちゃうとそうなるのですが、同情しなくてもいいような相手だったのかもしれません。

私に見えていたのは、おじさんの方だけでしたから。

でも、

佳純

いくら正しいからって、
あのおじさんにそこまで言う権利はないよね?

と、思います。

その結末は見ずに、私と友人は紅茶屋さんに入りました。

紅茶とワッフルはおいしかったです

佳純

満足じゃ。

人の振り見て我が振り直せだと思いました。


私はもうちょっとソフトにクレームを入れることにします。

人の振り見て我が振り直せとはいうけれど

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