会長は、生徒会役員の面々を順に見渡した後、再び俺のほうに向き直る。



前回までのあらすじ。





そう、俺は、中学に入学した辺りから、いわゆる"ラッキースケベ"を、対象の性別や年齢に関係なく引き起こしまくる体質を得てしまったのだ――!





驚いたな。こんなワケの分からない体質を持ってるの、俺だけだと思ってた。


会長は、生徒会役員の面々を順に見渡した後、再び俺のほうに向き直る。



なにも、異常なのは、あなたと私だけではないわ。





うっ、お腹、大丈夫だと思ったけどちょっとヤバいかも……。





彼女は、<コード二十二>。その特性は、限界の突破。
だから彼女は、100点満点のテストで130点が取れるし、何らかの順位が出るような場面では、一位を超えて、マイナスの位を取ってきた。勿論、限界を突破できるというだけで、限界を突破するような結果が出せるか否かは本人次第だから、彼女は全てを努力してきた。
お陰で、"我慢癖"がついてしまったけれど。





それは我慢しないほうが良いと思うんだけど……。





はぁ? 何言ってんの? イケるイケる。
あと1日ぐらい余ゆ――うっ……。





変な人だ……彼女には触れないでおこう。





オラオラオラオラオーロラオラオラ!(すみません、皆悪いやつじゃないんですけどねぇ……)





ダメだ……何言ってるか分からん!!





彼は<コード四〇>。不良のフリをしなければいけない特性よ。
彼ほど誠実な人間もなかなか居ないのだけれど、毎度毎度、誤解を招いていて難儀ね。





何その特性! しょーもなっ!





えへへへ。えへへへへ。
えへへ。どうです、お茶ですよ。私が淹れたお茶。美味しいですよ。飲んでください。





あっ、はい。頂き――





やめなさい。彼女の<コード三十三>の特性は、彼女の奉仕を素直に受け入れた者の命を絶ってしまう。
彼女が尽くしたがりなだけに、非常に危険な性質よ。


それを聞いた俺は、慌ててお茶の入ったコップを落してしまう。



ええっ!?





あっ、大丈夫ですか? 手とか服とか汚れてませんか?
あっ床拭きますね。





おう、ありが――。





彼女に感謝してはいけないわ。それですらも死の引き金になりうるから。





めんどくせえな!





ふむ……どうじゃ、ワシとスケベせんか?





うるせぇ。





彼は<コード九>。他者の特性の影響を受けない。
スケベなのは素よ。





その情報要らないですけど……。
ところで、会長の"其れ"は副作用って言ってましたけど……。





ええ。
私のコードの特性は、望んだ未来と世界が創世されるということだから。





ええっ!?
そんなのズルじゃん!





まあ、最初は良いかもしれないわね。でも、逆に言うならば、私がうっかり思ってしまったことは、全て実現されてしまうの。





俺らの"これ"も、会長が望んだことなんですか?





ええ――そこに居る彼女以外の<因子(ファクター)>は、全て私が望んだからこそ宿ったものよ。


そう言って、天王洲のほうを見る会長。



……。





天王洲だっけ? お前なんなんだ?





……私は、<コード零>。
本名は、零里洲(レーリス)・アイル・ヘブンリーロード。
アキ姉の、妹よ……。





そっかそっかぁ。あのアホ妹が随分と大人しく……。





いやそうじゃないよ! 何なんだよ!
お前、俺の自称妹とどんな関係だ!?





私の特性は循環。創が創ったこれまでの世界全てを、無かったことに出来る。そうしたら、彼女の戯れから、あなたを救えるから。
でも、いつも失敗する。





おお、そうか……愛しの妹よ……。
で、俺って、一体何なんだ?





あなたは私の最愛の人よ。





か、会長!? いきなり何を?





羨ましいですね……私たちでは結局、会長の心を惹きつけることは出来なかったんですから。





あなたの特性は、正確には、"あなたの望みを叶えるように、他者が行動すること"。
だから、私の知らないあなたの望みが私に影響を与えて、世界が知らない風に変わっていくのが、退屈な中での唯一の幸せで。
だから、最愛の人。





……へぇ。





アキ姉?





よく見たら会長、凄く可愛いですね?





あら、ありがとう。


それから俺は、とりあえず会長に対してラッキースケベを仕掛けて、言うことを聞かせ、仮初の世界を消した。



うわあ、凄いなぁ。俺たちこんな世界に住んでたんだ。


当然、会長に与えられたコードは、会長の世界を脱すれば消失する筈である――はじめに存在していた、零と、壱以外は。



ブヒブヒブブヒヒヒブヒ!





ブブヒヒイイイイイイ!!





ブヒイイイイイレーリスちゃん可愛いブヒイイイイイ!





ヌフゥ! オークVとオークAの体格差カプ、最高でござる……!





まじか。


仮初の世界を抜けた先は、オークに支配されていた。
俺の母は、なんか大変なことになっていた。



ごめんね……アキちゃん……。





へぇ。なるほどね。そりゃあ会長も世界を創るワケだ。





ねえ、レーリス、会長。


零里は、いつの間にか、俺の家の居候と同じ姿になっていた。本人曰く同一人物なのだから、別におかしくはないが。



な、何よ?





俺の女になってくれ。





は、はぁ!? あんた何言ってるか分かってんの?





ええ、喜んで。





やったぜ。


なんやかんやレーリスも承諾してくれたので、俺は零と壱を得て最強になった。
そして、オークに支配された世界ごと全てを吹き飛ばした。



お、零と壱って、そういう……。
まあ楽しかったしどうでもいいか。





おわりっ♪


